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項目名

経口避妊薬|ピル処方

意外に知られていない5つの効果や費用について

 

ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれた錠剤であり、一般的には「経口避妊薬」として認知されています。コンドームよりも高い避妊率であることが立証されているピルですが、それだけでなく、排卵をストップさせることで卵巣、子宮を休ませることができます。ルールにそって服用することで、女性の体に大きなメリットをもたらすピルについて正しい知識を持ち、上手に活用していきましょう。

ピルとは?

2つのホルモンが含まれた錠剤です。

ピルは、エストロゲンとプロゲステノーゲン(プロゲステロンの作用をする物質の総称)という2つのホルモンが含まれた錠剤で、妊娠が成立した時に分泌される1/20以下程度のホルモンが含まれています。ピルを服用すると、体のホルモンバランスが妊娠状態に近くなるため、排卵を抑制することができ、避妊の効果があります。正しく服用することでほぼ確実な避妊が可能となり、望まない妊娠を避けることができます。また、服用をやめれば妊娠が可能になります。さらに、生理周期が規則的になり生理痛が緩和します。生理が始まる日が固定されるようになるので、旅行や買い物、仕事や試験などのスケジュールが立てやすくなり、クオリティオブライフ(QOL)を高めることにつながります。

ピルの効果

一般的にピルは避妊薬として知られていますが、妊娠したい時に妊娠する方法とも言えます。それだけではなく、無駄な排卵を止めることで卵巣の老化を防止する効果もあります。排卵は、妊娠するための大切な働きですが、無駄な排卵は、卵巣と子宮を疲れさせ、老化を早めます。また、排卵は卵巣の皮膜を破ることになるため、細胞が傷つき、がんのリスクを高めることにもつながります。ピルを服用することで、女性の体に負担をかける排卵を一時的に抑え、以下のようなさまざまな効果が期待できるのです。

避妊効果

排卵のストップ

脳下垂体がOCに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンをキャッチすると、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌をおさえます。その結果、排卵がおこらなくなります。

精子の子宮内進入の抑止

プロゲストーゲンの働きで、子宮頸管粘液の粘液性を変化させて、精子が子宮内に入りにくくします。

受精卵着床の抑止

子宮内膜を変化させて、万が一排卵が起きて受精したとしても、受精卵が着床しにくい状態を作り出します。

生理に関連した効用

  • 生理痛の軽減
  • 生理血量の減少による貧血の改善
  • 生理不順の改善
  • 子宮内膜症の予防と改善

ホルモンバランスの改善による効用

  • 生理前症状(PMS)の軽減
  • にきび・多毛などの改善
  • 更年期症状の予防

排卵を抑えることによる効用

  • 卵巣がんの予防
  • 卵巣嚢腫の減少
  • 子宮外妊娠の減少

長期服用による効用

  • 乳房良性疾患の予防
  • 骨盤内感染症の予防
  • 子宮体がんの予防
  • 大腸がんリスクの減少
  • 慢性関節リウマチリスクの減少

ピルは、避妊薬としてももちろん効果を発揮しますが、それ以外にも上記のように、女性の体にさまざまなメリットをもたらしてくれます。当クリニックでは生理や排卵にまつわるさまざまな症状を緩和するためにも、積極的にピルを活用しています。ピルがあなたの人生のサポートをし、心強い味方になるはずです。

ピルの副作用について

  • 吐き気
  • 倦怠感
  • 不正出血
  • 頭痛
  • 乳房の張りなど

ピルの服用方法

基本的に、生理の初日から飲み始めます。1日1回1錠を毎日、定時に服用します。食前・食後は関係ありません。生活パターンを考えて飲みやすい時間に飲んでください。

ピルの種類

1相性と3相性

ピルは女性の生理周期に合わせて、「21日飲んで7日休む」28日周期の服用が基本です。服用中、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合量が一定の「1相性ピル」と、何段階かに分けて配合量が異なるものを服用する「3相性ピル」があります。3相性ピルの場合は、ホルモンの配合量が異なるため、決められた順番通りに飲む必要があります。1相性ピルは飲み間違いを防止できる利点があり、3相性ピルは総ホルモン量が少なくてすみ、不正出血の発現率が少ないという特長があります。

21錠タイプと28錠タイプ

21錠入りピルは、1シート・21錠のピルを飲み終わったら7日間休んで、新しいシートを飲み始めます。7日間の休薬期間に生理のような消退出血が起こり、この間に卵胞が発育するので、次のシートの飲み始めが遅れると妊娠する可能性があり、注意が必要です。28錠入りピルは、28錠のうち最後の7錠は薬の成分が入っていないので、実際には休薬している状態となり、この期間に生理のような消退出血が起こります。毎日飲み続けることで服用が習慣付けられるため、7日間の休薬期間の後の飲み忘れを防ぎます。

飲み忘れた場合の対処法

ピルは避妊効果を維持するために、 飲み忘れをしないことが重要です。1日1錠、決められた順番に、ほぼ決まった時間に飲むようにしましょう。万一、飲み忘れた場合は、以下のように対応してください。

24時間以内

気がついた時点で1錠飲みます。そして、その日の分も通常通り飲んでください。

24時間以上

そのシートの服用は中止して、次の生理が始まったら、新しいシートで再開してください。その日に出血があったら、その日から新しいシートで再開してください。

  • 避妊効果が得られない可能性があるため、7日間はコンドームなど、他の避妊法を併用してください。

ピル処方の流れ

当クリニックをはじめて受診される方は、他院でのピル処方経験の有無にかかわらず、ご予約をお願いします。特に問題のない方は、内診台に上がる必要はありません。処方2回目以降は、診察を受けなくてもピルを処方することが可能です。ピルは保険適応外の薬ですので、ご希望があればまとめて処方することも可能です。ただし、年に1回は定期検査を受けるなど、自己管理に心がけて服用するようにしてください。

当院で初めてピルを処方される方

  1. 事前に診察の予約をし、来院してください。予約方法はこちら
  2. 診察時、ピルの服用方法についてご説明します。
  3. 診察の会計の後、受付窓口にてピルをご購入ください。
費用初診料 ¥1,100 ピル1シート:¥3,000~¥4,000

2回目以降の処方を受けられる方へ

  1. 受付窓口に直接ご来院ください(予約不要)。
  2. 低容量ピル(OC)購入シートに必要シート数を記入し、診察券と一緒にご提出ください。
費用ピル1シート:¥3,000~¥4,000 ※診察料は必要ありません。

ピル検診のおすすめ

安全な服用のために定期的に検査を

当クリニックでは、ピルを安心して服用していただくために、1年に1回を目安として、下記の検診を受けることをお勧めしています。

1:子宮頸がん検査

20歳代に急増しています。症状がなくても定期的に検査をしましょう。

2:肝機能検査(血液検査)

ピルに限らず、薬剤を内服すると肝臓に負担がかかることがあります。

3:ホルモン検査

適切な量が取れているのか、男性ホルモン値が下がったかどうかなどをチェックします。

4:性感染症検査

ピルでは性感染症の予防はできないため、クラミジア感染症などの検査を行います。ピル服用時でも性感染予防策として、コンドームとの併用をお勧めします。

5:超音波検査

子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍などの有無を検査します。子宮・卵巣の病気がある方は、最低でも半年ごとの検査をお勧めします。

6:骨密度検査

女性ホルモンのバランスと骨年齢には密接な関係があるため、数値を測定します。

ピルを安全に、より正しく活用するためにも、定期的にピル検診をお願いします。さまざまな検査を受けていただくことで、他の病気などの早期発見にもつながります。

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