子宮内膜増殖症とは?なってしまう原因と治療方法について
子宮内膜増殖症という病気をご存知でしょうか?本来であれば、生理がくるたびに子宮内膜は剥がれ落ち代謝されるのですが、分厚くなってしまった内膜がいつまでもとどまっている病気です。
放っておくとがんになる可能性もあります。今回は、この子宮内膜増殖症についてお伝えしていきたいと思います。
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子宮内膜増殖症とは?
子宮の内側を覆っている子宮内膜が異常に厚くなってしまう病気です。子宮内膜は妊娠したときに受精卵が着床するときのベッドとして機能するものです。
子宮内膜増殖症は、ベッドが過剰に分厚くなってしまった状態です。
通常、厚くなった子宮内膜は、妊娠しないと月経のたびにはがれ落ちて、また新しい子宮内膜が増殖してきますが、子宮の中に分厚くなった古い内膜がいつまでもとどまっていると、次第に悪性化して子宮体がんに移行する可能性があるため注意が必要です。
自覚症状は?
月経過多、月経痛、不正出血、月経不順など。
※月経過多が続くと貧血や体がだるく疲れやすい、動悸がするなどの症状が現れます。
原因は?
エストロゲンの働きが過剰になっていることが考えられます。その背景に月経不順、肥満、閉経前後の卵巣機能低下などが影響している可能性があります。
また、閉経後にホルモン補充療法をエストロゲン単独で行った場合にも、子宮内膜が過剰に増殖することがあります。ごくまれにホルモンに異常がなくても起こる場合があります。
診断は?
超音波検査で子宮内膜の状態を見れば、過剰に厚くなっているかどうかすぐにわかります。子宮内膜がんに移行する可能性があるため、悪性の可能性がないかどうかを子宮体がん検査で確認します。
子宮内膜増殖症には、異型のないタイプとあるタイプがあり、異型がある子宮内膜増殖荘は異型のないタイプに比べて子宮体がんになる確率が高いとされており、前がん病変とも呼ばれているので注意が必要です。
治療方法は?
当院ではホルモン剤による治療を行っています。ホルモン剤を内服して月経(出血)を出させて、子宮内膜をはがし落とします。
当院では主にプラノバールという薬を使用します。ルテジオン、デュファストンを使用する場合もあります。
エストロゲン依存性疾患(乳がんなど)、糖尿病、高血圧などがある場合、治療が長期に及ぶ場合はプロゲストンやデュファストンを使用します。
内服方法は?
1. プラノバール/ルテジオン/デュファストンを21日間、1日1回1~3錠(先生の指示通り)、ほぼ一定の時間に内服します。
2. 21日間内服の後、1週間休薬します。休薬開始2~3日後に生理様の出血があります。
3. 以上を1クールとし、これを3クール行います。
*副作用:吐き気、嘔吐、食欲不振、むくみ、体重増加など。吐き気止めの処方も可能です。症状がひどい場合はご相談下さい。
4. 3クールの内服終了後、子宮内膜が正常に戻っているか、超音波検査で確認します。この時まだ子宮内膜が厚い場合、子宮体がん検査を実施することがあります。
5. 再発予防のため、続けて低用量ピルを内服していただきます。
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執筆 : Yukari Ladies Clinic