萎縮性膣炎
萎縮性膣炎
萎縮性膣炎は、エストロゲン量の低下により、膣の壁が薄くなる疾患です。アメリカの家庭医学会(AAFP)は、閉経後の女性の40%以上が萎縮性膣炎にかかっていると報告しています。慢性病のため、治療しないと治りませんが、ほとんどの人がその存在を知らず、症状を訴える女性は20%程度に留まります。
萎縮性腟炎を発症すると、慢性の膣感染症や尿路機能障害にもかかりやすくなり、性交時に痛みを感じることもあるため、正しい知識を持ち、発症が疑われる時は、速やかな受診をお勧めします。
萎縮性膣炎の原因
健康な膣には主に6種類の常在菌が活動しています。その中でも乳酸桿菌(デーデルライン桿菌 )は、膣上皮のグリコーゲンを乳酸に変えて、膣をpH4.0前後の酸性に保ち、病原細菌の増殖を防ぐ役割を果たしています。これを膣の自浄作用といいます。
ところが、主に閉経後に女性ホルモンのエストロゲン量が低下すると、乳酸桿菌が減少して膣のpHが上昇するため、自浄作用が弱くなり、病原細菌が繁殖しやすい環境となります。また、エストロゲンの低下によって膣壁が薄くなるため、膣が乾燥するとともに、コラーゲンの減少により柔軟性が低下し、傷つきやすい状態となります。
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萎縮性膣炎の症状
膣の症状
- 乾燥
- 炎症
- かゆみ
- 悪臭
- おりもの異常(色、におい、量)
- 性交による痛み、出血
その他の症状
- 尿意切迫
- 血尿
- 尿漏れ
- 頻尿、膀胱炎
- 排尿時痛
- 感染症の増加
萎縮性膣炎の治療
当クリニックでは、萎縮性膣炎の治療に、世界初のヒアルロン酸を使用した膣萎縮症用注入剤「Desirialシリーズ」を使用しています。「Desirialシリーズ」とは、世界で初めての女性のための注入剤であり、成分は生体吸収される非動物由来のヒアルロン酸です。フランスVIVACY社の特許IPN−Like技術により抗酸化剤のマンニトールが含まれているのが特長です。
「Desirial」と「Desirial Plus」の2タイプがあり、まったく異なる症状に対して、それぞれ特別に開発されたものです。
効果
- 外陰膣の保湿
- 1回目の施術後から不快感を和らげる
- 粘膜組織の改善による慢性的な痛みの解消
抗酸化剤マンニトールとは?
ヒアルロン酸を注入すると炎症反応が起き、活性酸素であるフリーラジカルが発生します。フリーラジカルはヒアルロン酸の分解を促進するため、ヒアルロン酸は注入直後に最も分解されるといわれています。マンニトールはフリーラジカル除去剤ともいわれる抗酸化剤で、フリーラジカルの中でも特に酸化力の強いヒドロキシラジカルに効果を発揮します。注入直後に、このマンニトールがヒアルロン酸の分解を制限することで、ヒアルロン酸の持続性が向上し、より高い効果が期待できます。
治療時間と料金
施術時間 | 20~30分※ 局所麻酔を行ないます |
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施術料金 | 99,000円(税込)/ ヒアルロン酸1本(1ml) |
※患者様により、ヒアルロン酸の注入量は変動します。
- シャワーは当日から、入浴と性交は1週間後から可能です。
- 治療後、通院の必要はございません。
- 術前、術後に萎縮性膣炎に対する薬物治療を併用することにより、効果が2~3年持続します。
若い女性でも発症することがあります
萎縮性膣炎は閉経後の女性だけではなく、以下のような場合は、若年女性にも見られることがあります。若い女性が萎縮性腟炎を患った場合、性生活にマイナスの影響を与えるだけでなく、さまざまな感染症のリスクを高め、妊娠にも影響を与えることがありますので、当てはまる方は注意が必要です。