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水痘ワクチン

水痘ワクチン

水痘は、「みずぼうそう」ともいわれ、水痘- 帯状疱疹ウイルスというヘルペスウイルスが原因で発症する感染症です。感染力の強い病気で、5歳までに約80%の子どもがかかるといわれています。
大人になって発症する人は少ないため「子どもの病気」と思われがちですが、運良く大人になるまで感染しなかったり、予防接種を受けていたため感染しなかった場合、大人になってから水痘にかかる人もいます。

水痘は、接触感染、飛沫感染、空気感染で感染し、非常に感染力が強いのが特徴です。麻疹ウイルスと同じように、一度かかると終生免疫ができるため、二度とかからない病気と思われていましたが、最近になって、抗体の効果は20数年で薄れる場合があることが分かってきました。過去に水痘にかかったことがあったり、予防接種を受けていても、大人になってから水痘にかかる人がいるのはこのためです。

要注意な大人の症状、特に妊娠前には注意が必要

大人になって水痘を発症すると、重症化する確率が高くなります。子どもの発症に比べ、発疹がひどかったり、口腔内に発疹ができて食事に支障が出たり、上気道にできた発疹が原因で呼吸困難になるなど、入院が必要になる状態になることもあるほどです。
このように重症化する可能性の高い大人の中でも、特に水痘の感染に注意が必要なのが「妊婦」です。妊娠を希望する方は、最低妊娠3ヶ月前までに水痘の抗体検査を行い、免疫が認められなければ水痘ワクチン接種をおすすめします。

妊娠20週未満での感染

水痘にかかった妊婦から生まれた子どものうち、1~2%で、低出生体重や脳萎縮、白内障などがおこる「先天性水痘症候群」を発症するといわれます。ただし、これは海外の事例で、日本で先天性水痘症候群の報告例はありません。

妊娠20週~分娩21日前までの感染

胎盤を通じて感染したウイルスが赤ちゃんの神経節に潜伏し、生まれた後で再活性化するため、生まれた赤ちゃんの約9%が、乳幼児期に帯状疱疹を発症するといわれています。

分娩前後に感染

30~50%の赤ちゃんが水痘を発症します。分娩の5 日前から分娩後2 日までに発症した場合、赤ちゃんには抗体が引き継がれないため、水痘が重症化しやすく、死亡率が30%と高くなります。出産予定日近くで妊婦が水痘を発症した場合は、母体から赤ちゃんに抗体が移行するのを待つために、子宮収縮抑制剤などを投与して出産を遅らせるといった処置がとられることもあります。

水痘ワクチンは、帯状疱疹予防にも

水痘ワクチンの予防接種は水痘(水ぼうそう)の予防だけでなく、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の予防にも効果を発揮します。
子どもの頃に水痘にかかり治っても、水痘ウイルスは神経節に消えずに潜んでいます。普段は何も症状が出ませんが、加齢、過労、ストレス、病気で抵抗力が落ちている時など、免疫機能が落ちた時に、それまで潜んでいた水痘ウイルスが活発になり、神経を侵して皮膚まで現われ、発疹や水泡を作ります。この状態が「帯状疱疹」です。
2003年、雅子妃殿下が帯状疱疹による入院で公務を控えられたことは有名ですが、ほかにも、歌手の中森明菜さん、大相撲の逸ノ城関、元モーニング娘。の道重さゆみさん、元AKB48の篠田麻里子さん、落語家の桂歌丸師匠など、多くの著名人も帯状疱疹を発症しています。

帯状疱疹は、ピリピリした神経痛のような痛みと水ぶくれが特徴で、発熱することもあります。ヒリヒリする程度の人から、針で刺されるようなひどい痛みが出る人まで、症状には個人差があります。知覚神経の走っている場所に沿って、体の右側か左側かどちらか一方にだけ痛みや水ぶくれができるのが特徴で、胸、肋骨の辺り、背中、また、首から上などに出ることが多いようです。
さらに、皮膚症状がおさまった後も慢性的に痛みが持続する「帯状疱疹後神経痛」を発症することもあります。これは神経が損傷を受けたことによる痛みで、高齢者(60 歳以上)や、皮膚症状が重症だった人に多くみられます。その他、目に出た場合は、目の角膜に炎症が起きる「角膜ヘルペス」、顔に出た場合は「顔面神経にマヒ」、脳に出た場合は「ヘルペス性脳炎、髄膜炎、頭痛、吐き気、神経症状」、耳に出た場合は「ラムゼー・ハント症候群の難聴、めまい、耳鳴り」などを引き起こすことがあります。

帯状疱疹のピークは60 才以降で、85 才では2人に1人が発症するというデータもあります。
水痘にかかったことのある人で、免疫力に自信がなく、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛になりたくない方は、50代以降に水痘ワクチンを接種することをお勧めします。インフルエンザと同じように100%の予防効果はありませんが、50才ぐらいで水痘ワクチンを接種すれば、その後一生、帯状疱疹をほぼ予防できるようです。特に糖尿病やリウマチの方は、神経破壊の程度が大きく、重篤化してしまうことが多いため、ワクチンで予防するのが効果的です。

水痘ワクチン予防接種が望ましい方

妊婦

水痘の抗体があれば、妊娠中に不安を感じる必要はありません。そのため、妊娠を望んだ時点で、過去に水痘にかかったか確認が取れない場合には、抗体検査を受けることをおすすめします。抗体がなければ予防接種を受けることができます。水痘の予防接種は生ワクチンですので、妊娠すると受けられません。妊娠前にあらかじめ予防接種をしておくことが大切です。

帯状疱疹を予防したい50代以上の方

水痘にかかったことのある人で、免疫力に自信がなく帯状疱疹になりたくない、また、後遺症の帯状疱疹後神経痛になりたくない50代以上の方

罹患または予防接種から20年以上経っている人

罹患歴の有無に関わらず、過去にできた水痘に対する免疫は、20数年で弱まることがあります。そのため、20年ごとに予防接種を受けておくことが、一番安全といえます。

保育・教育関係、医療関係者

水痘にかかったことのない人が、保育・教育関係、医療関係に勤め始める際は、水痘の子どもに接する確率が高いため、予防接種を受けることをおすすめします。

接種方法

乾燥弱毒生水痘ワクチンを使用し、合計2 回皮下に接種します。2回目の接種は、3ヶ月以上(標準的には6~12ヶ月)の間隔をおいて行います。1回接種でも約90%以上の抗体陽転率が認められますが、より強固な免疫を獲得するためには、ワクチンの2 回接種が必要です。