トリコモナス膣炎
どんな病気?
トリコモナス原虫が原因です
トリコモナス原虫の寄生によって起こる感染症で、約1〜2週間で発症します。感染を放置すると、炎症が卵管にまで及び、不妊の原因や流産、早産の原因になる恐れがあるため、治療が必要です。
性行為以外でも感染します
通常の性行為によって感染しますが、トリコモナスは乾燥には非常に弱い一方で、水中では長時間感染性があるため、濡れたタオルやトイレの便座、浴槽などでもまれに感染することがあります。
症状について
女性の場合
泡状の悪臭の強い黄緑色やウミのようなおりものが増え、性交痛、外陰部や膣のかゆみなどの症状がみられます。トリコモナスが膣内環境を変えてしまうために、自浄作用が損なわれ、さまざまな細菌が増加することで特徴的な症状が現れることが多いようです。
男性の場合
男性はほとんど無症状ですが、軽い排尿時痛がある場合もあります。
治療法
薬で原虫を消失させます
抗トリコモナス剤の飲み薬を7日間ほど服用します。同時に膣に入れる膣剤も使用します。投薬によってトリコモナス原虫が消失すると膣内の自浄作用が回復し、さまざまな症状が改善されます。薬の服用中に飲酒すると、アルコール中毒の症状が出ることがあるため、治療中の飲酒は禁止です。
ピンポン感染に注意しましょう
男性には症状が出にくいため、女性だけが治療しても男性から再び感染し、交互に感染を繰り返す「ピンポン感染」が続くこともあります。トリコモナスと診断された場合は、パートナーとの同時検査、治療を必ず行うようにしましょう。また、治療中の性行為は避けてください。
ひとつの感染症にかかっていると、他の感染症を併発している可能性が高くなります。膣トリコモナスに感染している場合は、他の感染症についても詳しく検査されることをお勧めします。
潜伏期は6ヶ月以内と幅があり、感染していても症状が出ない人が20~50%といわれています。たとえ特徴的な症状がなくても、感染の心配がある場合は検査を受けることをお勧めします。