その他の感染症
B型肝炎
症状は?
B型肝炎ウイルスに感染することによって起こる病気です。倦怠感、食欲不振、関節痛、赤褐色の尿、微熱、黄疸などが主な症状です。症状が出ないまま自然に治ることも多く、実際に症状が出る人は、感染者の3割といわれます。その一方で肝不全を起こす劇症肝炎を招くこともあります。
どうやって感染するの?
性交渉や輸血、母子感染によって感染します。
治療方法は?
必ずすぐに治療が必要というわけではありません。
自然に肝炎が沈静化することもあります。治療には注射によるもの、薬によるものなど、様々な方法があります。
しかし、完全に体内からB型肝炎ウイルスをゼロにすることはできません。まずは、発症させないためにも、B型肝炎ワクチンで予防することが必要です。
梅毒
症状は?
梅毒トレポネーマという細菌に感染することによって起こる病気です。
かつては代表的な性感染症のひとつでしたが、1929年に特効薬である抗生物質ペニシリンが発見されてからは、感染拡大による重大な被害はなくなり、早期に発見すれば、完治します。
感染後、数週間で感染部位に赤くて硬い発疹ができ、潰瘍になります。痛みなどはあまりないまま、2〜3週間で発疹はなくなりますが、約3ヶ月ほどで全身に発疹が現れます。症状は、緩和と再発を繰り返しますが、そのまま放置すると心臓や血管、内臓に病気が広がります。
どうやって感染するの?
梅毒トレポネーマは、低酸素状態でしか生きられず、低温や乾燥に非常に弱い細菌です。そのため、感染経路は限定され、性行為やオーラルセックスなどによって、皮膚や粘膜の目に見えない小さな傷口から侵入します。
1回の性行為で感染する確率は15〜30%と、非常に感染力が強い細菌です。
また、感染したまま出産すると、母子感染の危険があります。
治療方法は?
抗生物質のペニシリン製剤の内服で治療します。今のところ、薬剤耐性獲得は認められていません。服薬期間が長くなることがありますが、指示通り続けることが必要です。パートナーも治療が必要です。
HIV
症状は?
HIVウイルスは、感染後の潜伏期間が数年〜数10年と非常に長いため、感染に気づくまでに時間がかかります。感染すると、身体の免疫システムが壊れ、徐々に免疫力が低下していきますが、エイズを発症するまでは、発熱・頭痛など、風邪のような症状があるくらいです。
全く治療せずに放置すると約10年でエイズが発症します。エイズが発症すると、急激な体重減少やカリニ肺炎などの症状が現れ、衰弱して死に至ります。
どうやって感染するの?
HIVは感染者との握手やトイレ、お風呂を共有したり、軽いキス程度では感染しませんが、性行為や輸血により感染します。また、他の性感染症に感染している場合は、感染確率は数倍になります。
治療方法は?
現在も完全な治療法や特効薬はありませんが、治療はとても進歩しており、早期に発見し抗HIV薬を服用することで、エイズの発症を抑えることができるようになっています。適切な治療を受ければ、普通に仕事ができ、出産も望めます。何より、発症前にHIV感染を発見することが大切になります。